高齢親 免許返納 説得方法 毒親 高齢ドライバー (4)

当婚活ブログで高齢の親の免許返納問題について、訴え続けている理由はただひとつ。

アラフォー・アラフィフで婚活をしている人達の過半数以上が、もしかすると遠からず『その壁』にぶち当たる可能性がある、かもしれないから。










アラフォーの結婚の妨げになる高齢親ドライバー問題

高齢親 免許返納 説得方法 毒親 高齢ドライバー (8)


別の業界で働く知人の知人という、顔と名前が一致する程度ではあれど知らない仲ではないアラフォーの方が、

血の滲むような婚活の末にようやく手にした結婚を翌月に控えたある日、実の親御さんが加害者となった交通事故が理由で人生が大きく狂ってしまったのを、リアルタイムで聞いていたこともあり、

高齢者ドライバーの免許返納問題については、とてもじゃないけど『他人事とは思えなかった』。

くだんの件は不幸中の幸いと言っていいのか迷うけれど、最悪のケースは免れたとのことだった。可哀想に、彼女は今どこでどうしているのか――。


高齢者ドライバー父の自覚のなさ

高齢親 免許返納 説得方法 毒親 高齢ドライバー (7)


手狭な事務所の片隅、小さな応接セットに機嫌よく腰かけている父だけは『高齢者ドライバーが起こす事故など、他人事』と思っているようだった。

わたしと弟、そして自分の3人が――理由はともかく――こうして再会できたことを喜んでいるのだろう。

その気持ちは分からなくもないけれど、お金があればあるだけ使ってしまう父は先月振り込まれたばかりの年金に気をよくして、なにかとわたしたちに御馳走しようとしていた。

「ここからの人生は使うんじゃなく、いかに使わないかだよ」と弟が言っても聞く耳を持たない。弟と事前に決めた“配役”がさっそく疼きだす。

  • わたし…気性の荒い熱血若手刑事
  • 弟…聞く耳を持ってて話の分かる、熟年の部長刑事



「あなたの貯金が底を尽きても、わたしたちは一銭も手を貸せないから」思いのほか冷たい声が出てしまった。

「久しぶりに会ったんだもん、そのくらいいいじゃないの~」

自分が置かれている立場を分かっていないこの高齢者は、本当にわたしたちの父親なんだろうか。頭頂部に向かって上りはじめる血の流れを止めることがさっそく難しい。

「父さん、これ見て。これが父さんの今の毎月の収入と支出だと思うんだけど、間違ってるところがないかしっかり見て」

熟年の部長刑事が低く柔らかい声で父に話しかけ、戦闘態勢のわたしをいったん静める。


高齢者ドライバー父の自覚のなさ:自分の収支を把握させる

高齢親 免許返納 説得方法 毒親 高齢ドライバー (6)


事務所へ来る前に書きだした父の月の収支。企業年金や厚生年金など、月々の固定収入と固定出費他。

👦「離婚した夫婦の年金分割が適用されるのは何か月後?」
「お母さん曰く3~4か月後らしい。2ヶ月後はほぼ不可能なんだって」
👦「……お父さん、自分が思ってるほど余裕がないこと分かってないよな」
「分かってないよ、分かってたら怖くて使えないはず」

*

――代車に払う月10万が「どれだけの痛手になるか」。ひと目見て分かるように弟は父の収支を見える化したけれど、父にはどれだけ伝わっているだろう。

「こんなにギリギリなの? 嘘だろう?!」
👦「嘘だと思う? 間違ってるなら指摘して。この場で修正するよ」

「こんなにギリギリなのが本当ならもっと働かないと! そのためにも絶対に車は手放せない!」
👦「代車の10万円がなかったら、少なくとも10万円は浮くよ? そうすればギリギリじゃないでしょう?」
「いいや、ダメだ!!」
👦「家族に内緒の借金があるのか? また、借金してるのか?」


高齢者ドライバー父の自覚のなさ:借金癖

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いわゆる金融会社の顧客に父がなったことはない、と思う。そのあたりは母が執拗に調査していたから間違いない、と思う。

しかし母方の祖父や祖母をはじめ周りの人達に数百万単位で父がお金を借りており、その返済に充てるべく家族に内緒で退職金を全額使ったと知った時、現実を受けいれられず母は失神した。

また裏切られた、と意識を戻したそばから号泣する母にかける言葉はなかった。

母も父も毒親、でもわたしたちに虐待をしてこないだけ父の方がマシ。父親は“微毒”。長い間そう思っていたけど少しもマシじゃなかった。そんな父を母は捨てて、わたしたちに大きな皺寄せがきている。今になって。

「どうせ、その場その場で現金払いで“うちうちに”してきた小さな事故やもめ事がたくさんあるんでしょうよ」

嫌味な言い方をしてしまった。
けれど、嫌味の100個200個も言いたくなる。

「俺はそんなことしたことない」
「どうしてそんな嘘を平気で言うの?」
「なにがや!」

「2015年6月日、午後15時分、あなたはわたしに借金の申し出をしてきましたよね。7年前のことはもうお忘れですか?」
「……」
👦「俺も30万貸したことがあるよね? 何に必要だと自分が言ったか覚えてる? 覚えてるはずだよね、嘘じゃなかったんなら」
「……」

「あなたはわたしに55万円貸してくれって電話をしてきましたよね。初めはその理由を嘘ついた。その時の留守電残してあるから今ここで再生しましょうか? 
 あなたの直筆で書かれた押印済みの借用書、いつか要り用になるかもと捨てずに保管しておいてよかったわ。はいこれが証拠、留守電も再生するわね、この人認めないようだから」




高齢者ドライバー父の自覚のなさ:「助けられない」ことを分からせる

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「こんなにも分かりやすく、人の指って震えるんだと思った」とのちに弟は笑っていた――。

煙草を挟む父の指が、右手が、口元が、震えている。
なんで生きてんだろう、この人。迷惑しかかけないんだったら、早くこの世から消えてくれればいいのに。

👦「何人から借金してるの?」
「してないよ」
👦「自分で返そうとしてるのは立派なことかもしれないけど、総額と人数、どなたに幾らって正直に話してよ」
「借金なんかしてないから」

👦「じゃあ俺もお姉ちゃんも助けないからね。本当のことを言う最後のチャンスだよ」
「借金なんかないんだから、助けも何もいらないって言ってるだろ!」

弟は一切の言葉の乱れも見せず、顔色ひとつかえず無機質に、テーブルの上に手書きの追加資料を並べた。

幼い子に言い聞かせるようにゆっくりと、でも口を挟むことが憚られるような強い目つきをしていた。

まぁ俺もお姉ちゃんも、助けられるほどの余裕なんてないんだけどね。

これが俺たちの月々の収支と預貯金。悪いけど
1円の余裕もない。俺は4月に家を現金一括で買って嫁の親を引き取って同居・介護してるし、

 お姉ちゃんもマンションのローン返済で余裕なんてまるでない。年齢的に更年期に入ってるから、いつなにが起こるか分からない。立ち歩くことさえ難しくなれば仕事なんて続けられないしね。

 お母さんの更年期障害の時のひどさやつらさ、そばで見てきたはずだから言ってる意味わかるよね?

 申し訳ないけどお父さんは年金で暮らしてよ。正直、それだけもらえるなんて十分すぎるくらいだよ。離婚した母さんと分割しても十分だよ。

聞いた話がすべて真実なら足りない理由がない。それでも「これじゃ足りない」って言うんなら
1日も早く実家を手放すほかないよね

父は、弟とわたしの収支一覧やWeb通帳の最後のページのコピーを睨みつけていた。わたしの呆れ顔など、視界にすら入っていないみたいだ。

さっきまで震えていた指先は、わたしと弟の収入等を追っている。たとえわずかでも自分に充ててもらえる余裕があるはずだと、探っているかのように見えた。

情けない。意地汚い。こんな男が自分の親だなんて恥ずかしい。

👦「最後にもう一度言うよ。本当のことを言うならこれが最後のチャンスだから。借金はいくらあるの?」
「しつこいな、ないって言ってるだろ!」

応接セットの上に堂々と置いた古いiPhoneは、父の声を一言一句逃さず録音している。父はそのことにまだ気づいていない。

車を使う業務内容ではないはずなのに「こんなにギリギリなのが本当ならもっと働かないと! そのためにも絶対に車は手放せない!」というのはどういうことなんだろう。

とはいえ免許返納はマストだ。
必ず、遅くとも今月中に返納させなければならない。