婚活 40代の婚活 アラフィフ 再婚活 マッチングアプリ  (2)



毒母の執拗な口撃に疲れて「なにもかも、全てなくなったって構わない」と、捨て鉢になった。

マッチングアプリを通じて思いがけず始まったオトナの恋は、知り合って4ヶ月と19日。特別に親しい仲になって2ヶ月、に、1日足りない朝8時にあっけなく終わった。


男と別れたって日常はかわらない。夏は例年どおり早朝に起きる。夜が明ける前に愛犬ビーの散歩に出かける。時計を見ると4時半。気の早い空が白み始めた。

初めて彼がうちに来た日の翌朝を思い出した。湿り気のある朝のにおいはすこしだけせつない。彼を「非表示」にしたLINEのことは気にするまいと決めた。

通知音に設定した「鳥のさえずり」はきっともう鳴ることはない。毎日毎日うるさかったから、それでいい。

弟に言われたことを思い出した。

「あの人に関わってたら不幸になるから。あの人に関わっていたら余計なことに巻き込まれてさいごは必ず“あんたのせいで上手くいかなかった”って責められるから、お姉ちゃん気をつけなよ」

つい数日前に言われたばかりなのに、毒母の毒に侵食されて。
わたしはなにをやっているんだろう。

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少し前に寿命をまっとうした愛猫のニコが「繋いでくれた縁」だと言われた。「この人がいればおかあさんは大丈夫だと、安心して旅立ったんですねニコちゃんは」と言われた。

「なんだかそんな気がしてきました」と火葬スタッフの方と彼女のお骨を拾った夜を思い出した。

ペットの病気が見つかったので、再婚の予定は後回しにします。できるだけ傍にいて看病や介護に時間を使いたいので――と数日前に知り合ったばかりの彼に、マッチングアプリから退会する旨を伝えたのをきっかけにLINEで繋がり、とくべつな縁ができた。

「ごめんね、せっかく結んでくれた縁なのに。おかあさん、大切にできなかったわ」骨壺の上のほうを撫でながらニコに詫びると、頭のなかでもう一人の自分の声がした。

謝る相手が違うんじゃない?