恋の終わり 大人の恋 40代の恋愛 (1)

あれは確か、知り合って1か月以内のことだったと思うんだけど。

先輩から頼まれて(当時は未婚、現在は既婚)婚活アプリマリッシュに潜入捜査をしていた頃だったと思うんですけど――






こちらのブログでも当時記載した男性会員のどなたかとメッセージのやり取りをしていた夜に、地震が起きたんですよ。そこそこ大きめだったと思うんですよね。

やりとりしていた男性会員さんはそれこそすぐに「大丈夫ですか?」と声をかけてくださり、わたしもその体感の大きさに少々ブルっていました。

が、待てど暮らせど彼、いや“元カレ”からLINEは届きませんでした。車で移動中なのかな? だったら気づかないかもしれないわね。とその時は流したんです。



けれどその後、お付き合いが本格的に始まった以降も「命に直接かかわるほどではない事象」に対しての関心は極端に薄いのか『大丈夫?』みたいなものはほとんどありませんでした。

元カレの中には彼自身が敷いた明確な境界線があるようで、
  • すぐに駆けつけてくる【SA】
  • 執拗に電話をかけてきて安否確認をする【A】
  • 基本スルー【Z】←
というものがありました。

わたしの愛猫のニコが寿命をまっとうして天に昇った時は【SA】、ニコが倒れてチアノーゼが出た翌日、わたしが電話に出なかった時は【A】、わたしが歩きスマホの女性に怪我をさせられて唇から流血した時は【A】。

小学校に入る前からヤングケアラーだった彼にとって、今は亡き親御さんの体調変化やそのたびに速くなる自分の脈や大きく波打つような鼓動は相当に堪えるものだったに違いありません。

心が落ち着くことなどずっとなかっただろうな、友だちと遊んでいても心から夢中になれて楽しいと感じれる時間などほとんどなかっただろうなと想像ができます。※ヤングケアラーだった人たちの書籍や資料をいくつも読みました



そういった“近しい人の生死の分岐点がすぐそばにある”つらい経験を、幼少期から長いあいだ味わってきた彼を思うと『相手を心配するボタン』の感度はとてつもなく鋭かったのだと思います。鋭いからこそ、反応すべきか否かの即時判断ができる。


どういうことかというと――愛猫ニコの老齢~旅立ちまでの数年間、彼女のささいな体調の変化にわたしは常に耳を傾けていました。

当初は小さな違いにも過敏に反応してしまい「お迎えの時がきたのかもしれない」「もうダメなのかもしれない」と何度も何度も心臓をぎゅっとさせましたし、仕事が手につかなくもなりました。

けれどそんな動揺は長くは続かず、というか続けるわけにはいかず、いつしかニコの足音ひとつ声色ひとつ、息遣いひとつに敏感に耳は傾けるものの

「これは大丈夫」「これは病院に連れていく方がよいもの」「これは2日くらい様子をみてから」と落ち着いて判断ができるようになりました。※老齢のニコに病名がついた最期の4ヶ月はさすがに過敏にもなりました

恐らく、彼の“スルーYES/NOジャッジ”はこれに似たものだったのだろうと思います。

実際に彼は観察眼がとても鋭く、ニコやビーの体重の0.2kg程度の減増さえも「痩せた・太った」と気づいていたほどでした。

先週起きたわたしの流血動画を見ても(負傷です)彼が無反応だったのは――もちろん他にも理由があるのかもしれませんが――わたしがそれによる傷を負うのは初めてではなく、

小さな出血程度の負傷ならすでに何度も彼は見ているので『今回はちょっと酷いけど、まあ大丈夫でしょう。大人だし自分で処置できるでしょう』というジャッジが即時くだされたのだろうなと、今ではそう思えます。

でもその時は、たびたびの音信不通やわたし自身にたまった疲れなどから心配の一言もない程度のことが、思うよりも重く圧し掛かったんだろうなと今さら自己を分析します。

恋の終わり 大人の恋 40代の恋愛 (2)

犬を飼ったことのある人ならわかるかもしれないんですけど、「待て」「よし」「お手」「伏せ」などのコマンド/号令はできるだけ共通の言葉が良いとされています。

たとえば――待て! と声をかけるわたし、待ちなさ~いと声をかけるお父さん、「ステイ!」と声をかけるお兄ちゃんみたいに『待たせたい』ためのコマンドにばらつきがあると、
 犬は戸惑ってしまうので号令は統一させるのが基本というのは犬飼い世界の中ではわりと共通の認識なんです。

元カレは愛犬のビーにおやつを与える時、いつも「待て!」「どうぞとおやつを握った手のひらをくるりと上へ向けて与えていました。

どうしてもところどころで育ちの良さが垣間見れるのがとても面白く、はじめこそコマンドは統一でと伝えていたけど「ビーもきちんと待てをしてから、どうぞ で食べてるしこれはこれで」といつも微笑ましく見ていました。

元カレが最後にわが家へ来た日、いつも着替える持参の私服のハーフパンツのポケットに「ちゅるビー」が入っているのに気づいていました。

愛犬ビーのためにいつも食べ物を持ってらっしゃったなと、少し前のことなのに懐かしく思い出します。

ではこれをもちまして『アラフォー別れの理由』は本当に終わります。今気づいたんですけど、アラフォーじゃないわ。アラフィフだった! 無意識に若く見積もってた! えええええー!